トウインヤエヤマザクラ満開
今日も仕事の合間に調査してきました。
前回に続きトウインヤエヤマザクラです。
こちら厳嶋神社の山中にある2号木のほうです(しかし1号や2号って味気ない名前ですね)。
花は高いところにあるので中々近くで見られないのですが、鳥がつついたのか、運よく数輪落ちていたのでよく見てみました。
片方は確かにめしべが2本あります。
花びらなんだけど、おしべと同じような位置についているものもありました。
もともと八重咲きというのは、おしべなどが花びら(花弁)に変化したものですが、やや中途半端な状態のもいるんだなという感じです。
(もうちょっとおしべ寄りだと、先端の葯(やく)だけが花弁になったりします。これは旗弁といいます。)
次に山田溜公園の外側にある1号木です。
2号に比べ葉が赤いですが、こちらもほぼ満開と言ってよいのではないでしょうか。
名前の通りヤマザクラの系統なので、花と葉が同時に出て、葉は最初赤いという性質も受け継いでいるようです。
2号は葉がすでに緑なので、開花時期は少しずれています。
しかし1号と2号は見た目の印象も少し違うので、環境や樹勢の違いもあるのでしょうが、遺伝子的に少し異なっているのかもしれません。
もともと桜は自家不和合性と言って、自分の花粉では実→種ができないので、他人(正確には他木)の花粉から子供ができることになります。
なので、種類は同じでも少しづつ性質が違うのは当然とも言えますね。
と言うことは、近くに仲間がいないと種で同じ種類の子孫を増やすことはできないということです。
トウインヤエヤマザクラ(コノハナザクラもですが)は離れ離れで5本しかいないので、自然には増えないでしょう。
子孫を残すには人の手を借りるしかありません。
でも、今の木はおそらく50年からせいぜい100年くらいの年齢だと思うので、その前はどうしていたのか謎です。
仲間が近くにたくさんいたのでしょうか。
話が広がってきてしまったので、このくらいで。