暑さに想う

お盆もあっという間に終わりましたが、残暑厳しい日が続いております。
いや残暑厳しいなどという表現では生ぬるいくらいの、猛暑、酷暑の日々です。

クーラーの効いた場所という逃げ場があるのでまだやっていけますが、もし無かったらやっていけない、というかだいぶ生活が変わってしまうだろうなと思います。
活動量がだいぶ減るでしょうし、体調を崩すことも増えるでしょう。
クーラー普及以前にこの気候だったら、国の形や平均寿命などにも影響があったでしょう。
熱帯の国がそうですが、暑い日中は働かないようにして朝夕だけ働くとか、シエスタ(午後の長い休息)が必要とか、生活スタイルが変わりそうです。

私の経験ですと、二十歳過ぎまでクーラーの無い生活をしていて、そこそこ普及はしていましたし、あったらいいだろうなあとは思っていました。
でも本当に耐えがたく暑いのは一週間程度で、そこを水あびでもしながら凌げば無くてもなんとか過ごせていました。
子供の頃の記憶では暑かったら扇風機を回して、そんなに苦しんだことは無かった気がします。
20〜30年程前の話です。

今は早ければ6月末頃から、遅いときは10月始めくらいまで、気温の上下や年によって違いもありますが、暑さが続く期間という感じがします。
ここ近年で急に変わってきた印象です。

この暑さが今後定常的になるようであれば、外で働く庭師としての仕事の仕方をちょっと考えなければならないかなあと思います。
暑さは木にも悪いですし、なにしろ人にとって悪い。
木を移植したら根へのダメージが大きいですし、そのあとの水やりも大変です。
剪定も切る加減が強すぎると幹焼けをして部分枯れになる可能性があります。
人については言うまでもありませんが、死者まで出ている熱中症です。
それだけでなく、頭がぼんやりして判断力が鈍り、ケガや事故を起こしやすくなります。
実際ヒヤリとして危なかった、と思うことがよくあります。

木にも人にも負担にならないよう、時期や時間を変えるとか、作業方法、仕事内容なんかも考えていきたいと思っています。

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気温はとうとう日本で最高気温41℃を記録しました。
私は昔、暑さで有名な地域であるアメリカ・デスバレーに行ったことがあります。
その時は気温50℃前後だったと思いますが、もう人の住むところではないという印象でした。
日差しも強いし、日陰でもサウナのように暑く、息をすると肺が熱いような、長時間外にいたら危険だと感じました。
クーラーの効いている店内か車内がなければとても居られません。
(でもそんな中オートバイでツーリングしているアメリカ人がいてあぜんとしました。彼等は極寒でも半袖でいたり、どこか構造が違うのだと思います。)

アメリカは風景のスケールも日本と全然違いますし、デスバレーは内陸部の山脈に囲まれた盆地でさらに標高も海抜0m以下と特殊な地形なので、遠い異国の地ではそういう高温になることもあるんだなというくらいに思っていました。

2005-6-25 アメリカ・デスバレー

でも41℃と50℃言ったらそう遠くはない数値です。
日本がそんなことになるなんてちょっと前は思いもしませんでした。

二酸化炭素による温暖化、と言うあまりに分かりやすく単純化された図式はちょっと懐疑的ですが、これほど急激な変化は今後何かありそうと思わざるを得ません。
気象学は詳しくないので、これが人間活動による影響が絡んでいるのか、地球内部か、または太陽で何か起こっているのかは分かりません。
でも急激な変化の後には必ず反動があるのが自然の摂理ですので、このまま気温が上がるにせよ下がるにせよあまりいい気分はしません。

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さて暑さが変わらないままお盆も過ぎましたが、今年のお盆は事情もあって仕事をしていました。
去年のお盆の記事では、お盆は夏の疲れが溜まってきたところに一息入れて秋までもう一踏ん張り、という役目もあるのでは、ということを書きました。
今年はそれができていないので、体調管理に気を付けてペースも少し考えて残りの暑さを乗り切ろうと思います。