トウインヤエヤマザクラ(コノハナザクラ)満開 その2

前回に続き、トウインヤエヤマザクラです。

と言いましても今回は東員町にもう一本ある、厳嶋神社山中の町天然記念物第2号木の方です。

2013-4-7

こちらの木の樹勢は去年と変わらず、悪くありません。

(去年の開花記事はこちら

ただこちらは大きく環境の変化がありました。

木は山中の斜面に立っており、周囲は山側が少し開けていますが、大部分は木に囲まれていました。
そのためお日様に向かって狭い範囲で枝が伸びている状態でした。

2012-4-16 1年前の姿、周囲状況

2011-9-8 2年弱前の周囲状況(中心がサクラです)

それを去年のいつかは分かりませんが、谷側の木を大分切ったようです。

2013-4-2

右側(谷側)の空が大きく開けています。
サクラのためだけかどうかは定かではありませんが、大きく影響があるのは間違いありません。

まず考えられることは、日当たりを良くする、日照改善でしょう。
サクラは特にお日様を好む木であり、日当たりが悪いと弱っていってしまいます。
そのため周囲の木を切って日が当たるようにするのは、良いことには間違いありません。

ただ100%良いことだけしかないか、と言うとそうとも言い切れません。

悪影響もいくつか考えられます。
急激な環境の変化というのは樹木によって良くないことが多いですが、まずは日照によるもので、今まで日陰だったところが日なたになってダメージを受けることがあります。
大きいのは幹の温度上昇、小さくは地面の温度上昇・乾燥・植生の変化があるでしょう。

次に風による影響もあります。
周りが木に囲まれていると、お日様に向かってとにかく上へ早く伸びるしかありませんので、ひょろっとした細長い樹形になります。
そこへ風を防いでいたとも言える周りの木が無くなると、急に文字通り風当りが強くなるので、台風などの強風に耐えられなくなる場合もあります。
さらに幹に傷などあったらことさら耐えがたい可能性が高まります。

とは言え、欠点ばかり見ていたらなにもできませんので、利点・欠点のバランスを見て、利点が大きく上回るということでGOサインを出したのでしょう。
(あくまで推測です)

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あと補足ですが、希少種であるトウインヤエヤマザクラは、コノハナザクラと同じものとされているので、今回のタイトルは併記しました。
インターネットで調べた情報ですが、現在5本(京都府亀岡市:1、三重県員弁郡東員町:2、いなべ市:1、津市:1)見つかっているとのことです。